アリと植物の不思議な関係

シーズン:春(おもに4月〜6月)


タチツボスミレ種子 道ばたや庭、しき石のすき間、石づみの間、 スミレの花はいろいろなところにはえてきますね。

 このスミレの実は、実るとはじけて種を飛ばします。種には白い固まり(種枕−しゅちん−とか、エライオゾームとか呼ぶ)がついていますが、じつはこの固まりはアリにとって栄養満点のごちそうなのです。
 アリはせっせと種を巣に運び、白い固まりだけを取って種本体はそのまま残るというわけです。 こうして自分では動くことのできない植物が、アリという動物を使って分布を広げることができるのです。

 このような植物は他にもいろいろあります。カタクリやカンアオイ、ムラサキケマン、スズメノヤリなどが主なもの。アケビの種もアリが運ぶといわれています。

 これらの植物に関して、興味深いことがあります。一つはスミレ、ムラサキケマンのように実がはじけ飛ぶタイプのものが見られること。アケビははじけませんが、鳥や動物に食べられて分布を広げます。どちらも二重の分布拡大作戦ですね。もう一つはスミレとヒョウモンチョウ、カンアオイとギフチョウ、ムラサキケマンとウスバシロチョウのようにチョウの食草になっているものが見られることです。

 もちろんすべてではないので、たまたまということかもしれませんが、それにしても、昆虫と植物の長い進化のドラマを感じませんか?


実験してみよう

 スミレやスズメノヤリなどの種を、アリのいる地面に置いてみましょう。どんなことが起こるかな? 他の植物の種ではどうなるか、比べてみよう。


いろいろなアリ植物(写真をクリックすると拡大します)

カタクリ

早春の落葉樹林に咲く。
スミレ

町中や畑のまわりなどいろいろなところに咲くふつうのスミレ。
タチツボスミレ

花が終わると茎が伸びて立ち上がってくる。畑のまわりや明るい林の中などにふつうに見られる。
ムラサキケマン

林のまわりなど少し日当たりが悪いところに多い。白花もある。実の入ったさやをさわると、はじけて飛ぶ。
ミヤマキケマン

ムラサキケマンに似ているが、花が黄色い。山道などの日当たりのよい道ばたに咲く。
クサノオウ

川原や土手に咲いていることが多い。茎や葉をちぎると黄色い汁が出る。
スズメノヤリ

畑や田んぼの土手などに生えている。花が終わると茎が倒れて、種がこぼれる。


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