このページは、おとなの方が読んでいただくためにつくったので、
少しむずかしいかもしれません。
でも子どもたちも読んでいっしょに考えてください。
アクションプランはみなさんとともにつくっていきます。
こうしたらいい、ここはおかしいというご意見がありましたら、
当ウェッブへ、ぜひおよせください。
1. まず地域のメダカの生息状況を把握する
・自分で調べる
・地域の自然保護団体やアマチュア研究者にたずねる
・地域の博物館や資料館・大学にたずねる
方法があります。河川や池にいなくても個人や学校の池などに飼われて生き残っている可能性があります。
調査結果はエコロジカルウェッブに集約しましょう。
メダカは移動能力が小さく、水系ごとに少しずつ体色や体型などに変化があることがわかっています。現在は、野生メダカであっても、放流によって地域の純粋な系統とはちがっているおそれがあります。これについては過去の放流の事実をすべて調べなければわかりません。でなければ遺伝子を調べるという大がかりなことになってしまいます。
地域のメダカの純粋性ということについて、議論が必要です。
2. もしメダカが見つかったら
継続的に安定して生息している環境なのか、それともどこか別のところから流されてきたものか、調べる必要があります。放流されたものだという可能性もあります。
メダカが継続的に発生している環境であれば、まずその生息地を守ることが重要です。地域の保護団体や研究機関などと協力し、保全のための活動を進めましょう。開発計画はないか、農薬が流れ込んでいないか、ブラックバスがはなされないか、注意しましょう。
3. メダカの生息できる場所づくり
生息地が十分な広さがなかったり、渇水期などに干上がってしまうおそれのあるような場所の場合、保全地を整備する必要があります。休耕田などを利用して、メダカ池をつくりましょう。休耕田の持ち主(農家)、公園や学校の池にもメダカが生息できるように自治体や教育委員会に働きかけましょう。そのような場所を少しずつ増やしながら、野生メダカの生息環境を広げましょう。
昭和三〇年代ごろまでの水田づくりが、メダカの生息にとって都合がよかったことは明らかです。無農薬はもちろん、冬にも一部に水たまりが残るような環境にすればメダカが冬を越せます。
メダカが生息できる環境というのは、他にも多くの生きものにとって大切な環境です。魚では、ドジョウ、タナゴ類、カエルではアカガエルやトノサマガエル(ダルマガエル)、ツチガエル、水生昆虫ではタガメ、タイコウチ、ミズカマキリ、ヘイケボタルなどいずれも最近見かけなくなっている生きものです。他にイトトンボ類、ギンヤンマ、シオカラトンボ、アキアカネなどのトンボ、サギ類などの野鳥も来ます。
4. 市民グループでメダカ保護を
個人でメダカを保全するというのは大変労力がかかります。できればグループを作って、作業を分担しましょう。
学校での取り組みにも、地域の市民が関わることで先生が転勤で替わっても活動・情報が継続します。
メダカの生息環境を守るということは、要するに昔ながらの水田づくりです。休耕田をメダカ池として利用し、ついでに水田でもち米を作って餅つきをする楽しみもあります。
ただ水が絶えないことが必要なので、農業用水しかない場合には秋から春にかけての水源の確保が必要になります。ため池方式にして、ポンプで循環させる手もあります(太陽電池や風車を利用すれば電源がなくても利用可能です)。あるいは近くに河川があれば、そこからポンプで水を供給できます。
5. 放流についての考え方
離れた地域で捕獲された他の水系のメダカやペットショップなどで手に入れたメダカを放流すると、その場所に在来のメダカと交雑が起こってしまうおそれがあります。メダカ(に限らず動植物)の放流は、地域の自然生態系に悪影響を与えるため、避けるべきです。そもそも継続的に生息できる環境でなければ、いくら放流してもむだです。
その地域で絶滅していた場合には、どう考えるべきでしょうか。その水系の野生メダカの子孫であることが明らかであれば、生息環境を整えたうえで放流することは問題が少ないかもしれません。しかし、飼育保存にも6.で説明するように実は問題が潜んでいます。
さらに、同じ場所でとれたものの子孫はかまわないのなら、少し離れた場所ならどうか、さまざまな考え方があり、結論を出すのはむずかしいと思います。専門家を交えて議論を重ねることが必要だと思います。
ただ、そこまで行けば大変なもので、いまはまだ、とにかく生息地があるのならそこを守っていくこと、その場所を保全することを通じてメダカを保護していくことが大前提です。
ほんとうは放流などせずに、メダカが戻って来られる環境を整えて、戻って来るのを待つべきなのだと考えます。時間はかかるでしょうが。
6. 飼育保存は最後の手段に
たとえその地域でもともと生息していたことが確かなものであっても、長く飼育されていた場合には、野生のものとは異なった形質をもってしまうおそれがあります。飼育下では少数の個体の近親交配が起こりやすく、また水槽での飼育という環境に適応して、野生なら残りにくい形質をもった個体が生き残ったり、逆に野生では強いはずの形質が残らなかったりするためです。
したがって、飼育して保存するという方法は、最後の手段なのです。あくまで野生生息地を守るということが大前提であり、そこから少数を飼育して保存する場合には、他の系統と混在させないよう十分な管理のもとに、一部を定期的に入れ換えるという方法をとる必要があります。また生息地が失われてしまうような場合には、できるだけ多くの個体を保存するために、おおぜいが分散して飼育すること、年に一度程度、何割かの個体を交換して遺伝子の交流を図ることが必要です。しかし、その場合でも飼育者は飼育に関して十分なトレーニングを受ける必要があります。
楽しみのために飼うことと、種の保存のために飼うことはきちんと区別しなければなりません。そして、できるだけ早く野外に戻すことができるよう、野外の保全地の整備を進めましょう。
7. メダカのいる自然環境の大切さを多くの人に伝える
メダカはちっぽけで、経済的価値もないのに、メダカに心ひかれる人がとても多いのです。それはどうしてなのでしょうか。私たち日本人の心に染みついた郷愁、古い記憶、文化といったものに結びついているのかもしれません。でも、いまの子どもたちにとっては、メダカは身近な生きものではなく、水槽や下手をするとテレビや本でしか見たことのない生きものになってしまったのです。
メダカの危機はもしかすると子どもたちが育つ環境の危機なのかもしれません。
メダカを通じて私たちは多くのことを学ぶことができます。
メダカのいる環境の大切さに気づいたら、そのことを多くの人たちに伝えてください。昔のことを知っている人は子どもたちに生きものにあふれていたかつての水辺の姿を伝えてください。古い写真があれば、それを見せてください。
そして、よりよい未来のための一歩をあなたも踏み出してください。子どもたちとともに。
8. 在来メダカ飼育上の注意
在来メダカを保全のために飼育する場合には、飼育方法などについて十分な説明と講習を受けるべきです。そのうえで飼育者には、次のことを伝えてください。
・どこ(原産地)でいつ(採集時期)とれたメダカか(何世代目か)
・市販のメダカ、他の系統のメダカと一緒に飼わないこと(混在しないよう十分に注意すること)
・放流はしないこと
・飼育できなくなった場合の返却先(研究機関など)
・飼育者が変わったり別の飼育者にゆずる場合、これらのことを必ず申し送ること