関東は走り梅雨と思われるはっきりしない天気が続いていますが、皆様いかがお過ごしですか。
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今号の話題
■自然学習には地域のメダカを−野生生物の地域性に配慮をお願いします−
千葉県の「不耕起水田栽培」グループが、「ミニ田んぼキット」とともにメダカを全国に配布しているという。その問題点は・・・? 続き
■フナまでが危ない?−在来地域生態系の危機−
子どものころ、田んぼでの獲物はなんといってもフナだった。そのフナまでもが消えかけているとしたら・・・。 続き
■四街道メダカの会が発足
千葉県四街道で発足した保全グループの紹介。続き
■西沼のメダカ・地元の水路へ
保全水路が完成し、地域のメダカを地域に戻す試み。続き
■自然学習には地域のメダカを−野生生物の地域性に配慮をお願いします−
千葉県の不耕起水田栽培グループが、発泡スチロールの「ミニ田んぼキット」の無償配布を行っているという記事が、読売新聞・朝日新聞に相次いで紹介されました。子どもたちの体験学習に利用できると、メダカやタニシ、ドジョウなどをセットにして、発泡スチロールで不耕起栽培を再現した「ミニ田んぼ」を全国に配布するというのです。
箱庭のようにして育てている限りは、何ら問題はないように思いますが、問題はメダカは飼いやすく、爆発的に増えてしまうことです。増えてしまったメダカの処分に困り、放流する事例は今も後を絶ちませんし、大雨時にあふれた水とともに地域水系に流れ出すおそれもあります。田んぼに放す人もいるでしょう。
ご存じのように、日本のメダカはただ一種類オリジアス・ラチペスですが、大きく分けて北日本集団・南日本集団、さらにその中でもさまざまな地域個体群に分かれることが、新潟大学の酒泉先生らの研究でわかっています。ぜひ認識していただきたいのは、これらの変異は長い時間、数十万〜数百万年をかけてできあがったもので、地域の条件に適応して遺伝的なまとまりをもった集団ができあがってきたということです。
他地域のメダカを放流することで、この遺伝的なまとまりが失われてしまうおそれがあります。もちろんこれはメダカだけに限ったことではなく、ドジョウや、メダカより移動能力が小さいと思われるタニシにも言えることです。
私がお願いしているのは、まず地域の状況を調べ、生息地を保存すること、その生息地を広げていくこと、地域の生息地ネットワークを築いていくことです。その過程に子どもたちが参加することが、何よりの自然学習になると私は思います。もちろん飼って育てることも否定しませんし、学校に保全池をつくることも大切な学習になると思います。その場合にも、地域のメダカを使っていただきたいし、なぜ地域のメダカなのかを子どもたちや地域の人に伝えていただきたいと思います。
私は、メダカをただ保護するのではなく、水田地帯にメダカが普通に生息できる環境を取り戻していくことが、必要だと思っています。その意味で、不耕起栽培やその他の有機農法・自然農法は重要な選択の一つであると考えます。しかし、どのように「自然にやさしい」技術であっても、地域生態系への視点が欠けては、何もならないと思うのです。
まず地域のメダカをさがしてくださるよう、そしてその生息地をどう保全していくかを考えてくださるよう、もう一度あらためて、お願いいたします。
■フナまでが危ない?−在来地域生態系の危機−
ゴールデンウィークに実家のある掛川市で、友人たちとメダカの生息する水路の調査を行いました。メダカ・ドジョウは素掘りで年中水が絶えないゆるやかな流れがあれば、生きていけると実感しましたが、どうしたわけか当然フナがいそうな淀みでも、全然とれないのです。
フナは水田やそのまわりの小水路で繁殖するといわれますが、成長したものは河川本流に移動します。ところが、現在の水田地帯は河川との連絡が絶たれているため、繁殖のために小水路や水田に上ってこられないのではないか、そう思いました。
地域の淡水魚相の保全には、水田地帯と河川との連絡・さらに河口部・沿岸域との連絡が必要田ということをあらためて感じました。たとえば、昔はため池や水田にも上ってきたウナギですが、天然ウナギを見ることは今やほとんどできません。ご存じのように、ウナギはフィリピン近海で産卵し、黒潮に乗って日本沿岸にたどり着き、河川をさかのぼって成長します。数年を過ごして成熟したものは、河川を下り、海を渡って産卵するのです。
ウナギはともかく、フナやタナゴなど雑魚とされ経済的には見向きもされてこなかった在来の魚たちが、身の回りから消えていっています。その一方で外来のブラックバスやブルーギルが放され、「遊漁」という経済的価値を理由に、堂々とその地位を保証されようとしています。
地域の生態系は長い時間をかけて形成されてきたもので、それはかけがえのないものです。そして私たち自身もその恩恵を被っていたはずなのです。しかし生態系のバランスは、そのときどきの人間の都合によってもろくも壊れてしまい、多くは二度と取り返せないか、取り返すのに長い時間と努力を必要とします。
「絶滅危惧」というと、どうしても、トキやメダカのような目に付きやすい、話題に上りやすいものばかりが、注目されます。しかし、個々の種だけではなく、在来地域生態系そのものが絶滅危惧なのだということを知っていただきたい。本来は私たちもその一員である地域生態系の構成員・そのバランスを保全していくということが、必要なのだと思います。もう少し鳥瞰的・長期的な視野で、物事を見る必要があるのではないでしょうか。
■「四街道メダカの会」が発足
千葉県四街道市で、3月18日に「四街道メダカの会」(代表:小池正孝氏、事務局長:任海正衛氏)が発足、本格的な活動が始まりました。
市内ではすでに数カ所しかメダカが生息できる場所がありません。会ではメダカが生息できる環境の復活・保全をめざして、今後市内のメダカの生息実態調査、メダカの里親活動、保護池の造成と水辺の自然保護、学習会の開催や行政などへの働きかけを行っていく予定だそうです。
任海さんのホームページは
http://www.bekkoame.ne.jp/~s.tomi/
■西沼のメダカ・地元の水路へ
5月27日、栃木県真岡市の「西沼メダカ保存会」で、昨年完成したメダカ保全水路の改修が地元会員を中心に「栃木県メダカ里親の会」、宇都宮大学などのボランティアの方々が参加して、行われました。作業はまっすぐだった水路に変化を付け、淀みをつくったり冬場の渇水期の避難地を設けるために行ったもの。あいにくの雨の中でしたが、水路の改修に加え、もともとあったショウブ(サトイモ科)など水路の植物を植栽し、また水田との間には手づくりの木製「水口(みなくち)」を設置して、水路と水田の連絡を確保できるようにしました。
すでに埋土種子から芽生えたと思われる水田雑草も水路の土手をおおいはじめていました。水路にはドジョウやヤゴも見られ、自然の回復は予想以上に速く進みそうです。
地元の子どもたちも泥んこになりながら、作業を手伝いました。
大勢の方々の参加で作業は予定通り午前中で終了、その後は地元の皆さん心づくしの昼食会となりました。
6月にはいよいよ保存会で飼育してきたメダカの放流式が行われる予定です。
めだかネット事務局
めだかの学校しらべ
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調査によせられた感想
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