今年のナマズの産卵は?
ホテイアオイがワースト外来侵入種
メダカ里親の会が水大賞受賞
第6号
2002.6.19発行(通算7号)

小学校高学年以上

この通信は転送自由です。ご意見・情報をお待ちしております。  めだかネット事務局 小澤祥司

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今号の話題
■今年のナマズの産卵は?
■ごぞんじですか? ホテイアオイが外来侵入種ワースト100
■メダカ里親の会が日本水大賞・市民活動賞受賞


■今年のナマズの産卵は?
 
ナマズの産卵は5〜6月にかけて、夜間に河川の流れのゆるやかな場所や水田・小水路で行われます。最近はなかなか産卵に集まるナマズにお目にかかる場所が少なくなってしまいました。何とか見たいと思い、6月初めに「めだかネットつうしん2001.11.14号」で紹介した、やまなし淡水魚研究会所属で写真家の村松正文さんに、山梨県内でナマズやギンブナの産卵が見られる場所に案内していただいたのです。
 訪れたが夜だったのでよく見えませんでしたが、まわりはブドウや梨、桃などの果樹園地帯。そこに縦横に水路が走っています。幹線水路はそばを流れる河川の土手に並行し、支線からの水が幹線に注いでいます。この一帯は伏流水がわき出しており、今は果樹園になっている農地も、かつてはその水を利用して水田が開かれていたのだそうです。
 「産卵の時に水がにごるのですが、ここは湧き水があって、すぐに水がきれいになるので、写真を撮るにも都合がいいんですよ」
まず見たのは幅3メートルほどの幹線水路。底は土のようですが両岸はコンクリート護岸(一部空石積み)で、農道はアスファルト舗装です。長靴を用意したのに、全く必要ありません。まさかこんなところにナマズが・・・と思っていると
 「ほら、そこにいますよ」と村松さん。
 見ると20〜30センチサイズのナマズが水底にじっとしています。腹部がかなりふくらんでいるので、産卵前のメスでしょう。
 「今日は少ないですね。残念ですが、産卵はまだのようです」
 魚は支線水路に入って産卵するそうですが、この夜は支線の方には1尾いただけ。幹線にも数が少なく、みな単独でいたため、まだ産卵時期には到っていないと、村松さんは判断しました。
 魚は河川本流との間で行き来しているのでしょうか、という私の問いには、
 「いいえ、おそらくこの水路で完結していると思います」との答え。
 その一週間後、もう一度一人で挑戦してみましたが、この日も残念ながら産卵は見ることができませんでした。懐中電灯の光を向けると、腹のふくらんだナマズがゆら〜りと、ヒレを波打たせて水草に隠れます。しかし、数は少なく、ギンブナもほとんど集まっていませんでした。
 そのかわりというか、ウシガエルがあちこちで鳴き交わし、繁殖行動をとっていました。
 村松さんによれば、年によって産卵時期はかなりずれるそうです。それよりも、「年々魚が少なくなっているように思います」という村松さんのことばが気になりました。
 かつて水田が広がっていたころは、あちこちの田んぼで数多くの魚たちの命の営みが見られたことでしょう。


■ごぞんじですか? ホテイアオイが外来侵入種ワースト100
 メダカを飼育なさっている方なら、産卵床としてホテイアオイを浮かべている方も多いと思いますが、このホテイアオイ、実は国際自然保護連合(IUCN)種の保存委員会が発表した、世界の「外来侵入種ワースト100」の上位に、堂々ランクインしているのです。
 ホテイアオイは南アメリカが原産で、成長が速く、2週間ほどでその数が倍になるといわれています。この水草が増えると、水路を塞ぎ、船の交通、水泳、魚釣りを阻害。一方、ホテイアオイが水面を覆うことで、日光や酸素が水底や水中植物に届くのを妨げます。ホテイアオイが大増殖し、光を妨げることは、その地域に固有の水草の成長を妨げ、水界生態系の生物多様性を損なうおそれがあります。ホテイアオイは今では、5大陸の50か国以上で見られるようになっているそうですが、日本もその一つです。
 ホテイアオイは、西日本(東海以西)であれば冬を越せる可能性があり、南九州や沖縄では完全に越冬して繁殖しています。私も熊本、沖縄、台湾で水面を覆っているホテイアオイを見たことがあります。
 メダカの飼育方法に、ホテイアオイの利用を推奨している場合が少なくありません。水槽や庭の池に浮かべている分には、大丈夫だと思いますが、野外に流出するおそれのある場所ではホテイアオイの利用は避けるべきです。放流はもちろん、厳禁です。
 また、ホテイアオイが水質浄化に役立つとされることもありますが、ホテイアオイを水に浮かべただけで水がきれいになることはありません。富栄養化した水域ではホテイアオイは旺盛に繁殖しますが、いずれは枯れてその養分はまた水中に戻ってしまいます。ケナフを植えるだけで二酸化炭素を吸収してくれるというのと同じかんちがいです。むしろ水をよどませ、水域の生物多様性を損なうことで、自然が持つ環境浄化機能(物質循環機能)を低下させると考えた方がよいでしょう。
 ペットショップ、熱帯魚店で売られている水草の中には、コカナダモ、オオカナダモ、オオフサモなど、他にも外来侵入種として野外で大繁殖しているものが少なくありません。
 外来水草の安易な利用−流通に対しても、何らかの歯止めが必要だと思います。


■メダカ里親の会が水大賞・市民活動賞受賞
 メダカ里親の会(水谷正一会長)が、2002年の日本水大賞・市民活動賞(読売新聞社賞)を受賞。5月30日に東京科学技術館で授賞式と活動発表会が行われました。同賞は、水環境・水資源・水文化の保全や水防災への貢献となる活動を行う学校、行政、企業、民間団体、個人を対象に、「日本水大賞顕彰制度委員会」が表彰するもので、今年が第4回。今年の水大賞受賞活動の中には、なぜかメダカをテーマにしたものがいくつかありました。
 メダカ里親の会は、栃木県内をフィールドに水辺生態系の保全と、環境学習に取り組んでいます。県内のメダカをはじめとする水生生物の生息状況調査や、保全への提言、自然共生型の圃場整備の指導や助言などを行うとともに、事務局長の中茎さん(宇都宮市)所有の水田を利用して「メダカの学校」を開設、近隣の小学校や幼稚園などの自然学習・農業体験の場として、開放してきました。
 同会の今年の「メダカの学校」は一般公募で参加者を募集。申し込みのあった24組の親子が参加して5月25日に開校式が開かれました。開校式では綿やサツマイモの植え付けに続いて、田んぼで古代米の田植え。子どもたちは、その間もカエルとりやメダカすくいに夢中。田植えでは、全身泥んこではしゃぎ回る子もいて、めったにできない体験にみな目を輝かせていました。
 メダカ里親の会では、来年2月までほぼ月一回のペースで、「メダカの学校」を開校する予定です。

 メダカ里親の会HP http://homepage3.nifty.com/medaka-satooya/


めだかネット事務局

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