シーズン:11月〜3月
初冬の斜めの陽射しに映える色づいた木の実。町の中でもクロガネモチやピラカンサなどの赤い実が、よく目につくようになります。
これらの実は鳥に食べられることで、種を広げます。鳥の色彩感覚は人間と同じようなものだそうです。したがって、人間に目立つものは鳥にも目立つ。そのために赤い色をしているらしいのですが・・・
クロガネモチの実を一つ、口にしてみました。
に、にがい!
とても食べられたものではありません。
ナンテンは・・・それほどにがくはないが、やはりえぐみがあります。
ピラカンサは水っぽくてにがみはない。おいしいわけではないけど、これならなんとか食べられるかも。
それにしても、こんなものを鳥はよろこんで食べているのか?
そういえば、クロガネモチもピラカンサも、いつまでも枝に残っています。
春になってほかに食べ物がいよいよなくなってくるまで、鳥もあまり食べないような気がします。
自分では動くことのできない植物は、種族を広げるためにいろいろな方法をとります。
風に乗って飛ぶ、綿毛や羽のついた種。水に浮かんで流される実。動物や人の体にくっついて運ばれる種などなど。
鳥やけものに食べ物というごほうびを与えることで、種を運んでもらうことを選んだ植物も、数多くあります。もちろん鳥やけものは離れた場所で糞(ふん)をするだけで、お返しのつもりはないでしょうけど。
甘い実はエネルギーや栄養を含んでいて、野生動物にとってはごちそう。でも種子が未熟なうちはしぶかったり、にがかったり、すっぱかったりして、食べられないようにしています。植物にとっては大事なエネルギーを、むだに使わないためです。そして、色が変わることで食べごろになったことをしらせています。
こんな仮説を立ててみました。
よくめだつ赤い実は、大事な栄養を実にたくわえることなく、おいしそうな外見だけで「ここに実があるぞ」とデモンストレーションしているのではないか。ほかに餌がなくなれば、背に腹は代えられぬと、鳥たちも食べてくれる。実がしっかりと軸についていて落ちにくいのも、そのためかもしれません。